歯の治療で感染しますか?
通常の歯科診療では、歯科医師は手指の消毒を行い、患者が使用するうがい用コップなどの器具は滅菌消毒済みのものを患者ごとに取り替えたり、ディスポーザブル(使い捨て)のものを使用したりしています。
ですから、それらからHIVに感染する可能性はないと考えられています。
HIVはHBV(B型肝炎ウイルス)と同様の感染経路で感染しますが、もし仮にHIVに感染するような歯科診療が行われていれば、日本国内に患者数がより多く、ウイルスの感染力がHIVの数倍から数十倍と言われているB型肝炎が、もっと歯科医院で広がっていてもおかしくありません。
ですから、B型肝炎に対する感染防御対策がきちんととられている歯科医院では、当然のことながら、HIVに対しても感染防御対策がとられているということになり、うつらないと言えるでしょう。
もし、行こうと思われている歯科医院の感染症対策がご不安な場合は、B型肝炎への対策がどうなっているのか、あらかじめお尋ねになってはいかがでしょうか。そういった問いかけに対し、あなたが満足いくような回答が得られない場合は、別の歯科医院に替えるのもひとつの選択でしょう。
また、B型肝炎などの感染症を持つ患者さんを積極的に受け入れているような歯科医院であれば、感染症対策が整っていると考えられますので、かえって安心かもしれません。
まだHIVに感染していない方は、歯科治療でほかの患者さんからHIVをもらってしまうことが心配かもしれませんが、既にHIV感染症を持っている患者さんにとっても、感染症対策が不十分な歯科医院で治療を受けることは、免疫力の状態によっては別の感染症をもらってしまう危険性がありますので注意を要します。
免疫力の程度によっては、避けたほうがいい歯科治療もあるかもしれません。
また、抗HIV薬などを服薬中の方は、歯科医で処方される薬との併用に注意を要するものもあるかもしれませんので、あらかじめ歯科医に病名や病状を伝えておくことが望ましいでしょう。
HIV感染症を持っている方の中には、歯科医院の感染防御体制が不十分、あるいはよくわからないため、自分が歯科医やほかの人にHIVをうつしてしまうのではないかと懸念しているものの、さまざまな理由から病名を伝えることを躊躇し、結果的に歯科を受診できずにいる方もいらっしゃるかもしれません。
もちろん、あなた自身が健康上の不利益を被らないように、本来は病名や病状を伝えるのが理想的ではありますが、それがどうしてもできそうにない場合は、「感染症を持っている」とか「ウイルス性肝炎と言われたことがある」とだけ伝えることもできます。
そうすれば、あなたがほかの人にうつしてしまわないよう、歯科医院で対処してくれます。
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