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輸血によるエイズHIV感染

日本の輸血の大部分は日赤が献血者から集めた血液を使っています。キャリアの血液の大部分はエイズに対する抗体が陽性ですから、抗体検査で除外することができます。したがって、現在の日本では、輸血によるエイズ感染は、ほとんど考えなくてよいのです。

しかしながら、感染直後のキャリアは検出できません。キャリアが少ないうちは、こんな血液に遭遇する可能性は低いのですが、キャリアが多くなれば、感染の可能性も高くなります。輸血の安全性も、やはりキャリアを増やさない、国民の生活態度にかかっています。

輸血は、生の血液を他人に移入するのですから、いろいろな病原体も同時に移入されます。少しでも危険なら、輸血は受けたくないと思うかもしれません。しかし、何時間、何日、何週間の生命を守るために輸血をするのです。少々の危険は覚悟の上で行うのが輸血なのです。輸血の意味をお医者さんに十分確かめてください。

これに対して血漿中の蛋白成分を個々に代替補助する抗血友病製剤等の血液製剤は、多数の人から採取した血液を混ぜて製剤を作ります。血液中の蛋白が先天性あるいは後天性に欠損している人たちに与えます。一部の成分では精製の方法がウイルスの精製法とほとんど同じなのです。ウイルス感染がおこるのも無理ありません。

しかしながら、HIVの問題がおこってから、ウイルスを不活化するようになったため、これらの血液製剤はまず安全になりました。すなわち、日本のキャリアが十分少ないうちは、医療行為によるHIVの感染はほとんど心配しなくてよくなりました。

一般の人の生活で、他人の血液に接する機会を考えてみましょう。輸血のように大量の血液が入ることはほとんどありません。ありそうなのは、けがで出血した人に接する場合です。キャリアの血液に触れても、健常な皮膚からウイルスが侵入する心配はないといってかまいません。

しかし、皮膚に傷があれば話は別です。このときの傷とは、血がでるほど深い必要はありません。ひげをそったあとローションをつけるとしみます。こんな小さな傷からもウイルスは侵入します。1mlの1/1000でも体に入れば感染の危険性があるといいました。これは微量の輸血と考えることができます。

でも、けがをして、出血している人を放置することはできません。出血を止めることが必要です。清潔な布・ビニール等を利用して、できるだけ直接血に触れないように注意しましょう。基本的には、他人の血液には触れないことです。血に触れた場合は、なるべく早く手を洗いましょう。消毒剤を探すより、大量の水と石鹸で血を洗い流すことが大切です。

書いた静脈注射による麻薬中毒は、少量ながら、多数の人から、しかも頻回に、静脈内に輸血するので、感染の可能性が非常に高いのです。
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